坂倉ユリの駈けぬけた美の世界 芸術家たちとの交流  
倉敷の近代文化と西村伊作 

 西村伊作の次女ユリ(1912~2007)は父伊作の創意工夫と時代を読むセンスと母光恵の聡明さを受け継いだ女性でした。95年の生涯は時代を反映するアイディアを形にあらわし、弛むことなく創作活動を楽しみ続けました。パリ留学時代に出会った若手芸術家、文化学院デザイン科を先導したころに交流したデザイナー、ギャラリーサカを通じて親交を深めた文化人―物静かな性格でしたがユリはその時代の先端にある芸術家たちと広く交友をもち、彼らと時代から受けるインスピレーションを彼女の仕事と創作活動に融合させていきました。

 2024年の企画展では、坂倉ユリが時代に応じてしなやかに生み出していった活動や作品、そして彼女の芸術家たちとの華やかな交流について紹介いたします。

 また西村伊作が建築した倉敷教会が改修工事を終え2023年に100周年を迎えたことを機に、大正期の倉敷とその地に残る西村伊作の建築について「倉敷の近代文化と西村伊作」展を同時開催いたします。建築を通して、大正時代の倉敷のキーパーソンである林源十郎と大原孫三郎らと西村伊作の交流や、彼らが目指した文化的なライフスタイルなどをご覧ください。

(会期 6月8日(土)~11月4日(月・祝))