生誕130年・西村記念館 築100年 記念企画展

明治維新以降、我が国は欧米から科学技術を取り入れ急速に近代化しましたが、人々の生活は一部を除き旧態依然としたものでした。伊作はこのような状況を憂い、今後世界に生きる日本人の私生活の近代化、衣食住や教育の改革に真剣に取り組みました。伊作は生活の中に絵画や陶芸の創作など「芸術」を取り入れ日常を豊かにするとともに、創意工夫を凝らして改善された「生活」そのものも「芸術」と考え、自らの喜びとしました。そして彼は自らの生活の理想を現実のものとした我が国における先駆者となったのです。
本企画展では、伊作の活動の背景、生活実践、社会での活動、戦中の伊作等々をご紹介します。伊作が活躍した時代と今日とは状況が大きく変わることはいうまでもありませんが、彼の主張や姿勢は、現在社会でも通じる普遍的なものが含まれています。
この企画展が、今後の日本人の日常生活を考えるうえで示唆に富んだものとなれば望外の喜びです。