2004年度 ルヴァン美術館 企画展
今回の企画は西村伊作を中心に人間の生き方をみようとするものです。人間の生き方は色々とあるが、伊作の生き方の「生活を芸術として」は、悦び、愉しむという贅沢な、そして誰にでも出来る質素な贅沢なのです。それは美の贅沢です。例えば伊作は自分で創った学校で若者たちに道徳を教える代わりに美術を教える。
美しいから善なのであり、醜いから悪であり、そこには既成の善悪をおしえることはしない。
ひとの作った決まりを鵜呑みにしないで先ず自分で考える。
その考える時に美の感性が加わる。そして、なるべく自由に!
伊作はみんなの嬉しそうな顔、そんな社会を創りたかった。現代人の忘れてきた幸福、それをもう一度考えたい。
ルヴァン美術館館長
西村八知