同時代に生きた芸術家「ル・コルビュジエと西村伊作」

上野の国立西洋美術館が昨年「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」の一つとして世界遺産に登録されました。
ルヴァン美術館ではこの機会に同時代に生きたル・コルビュジエ(1887~1965)と西村伊作(1884~1963)の二人を紹介致します。
生涯にわたり建築や絵画などの活動に打ち込んだ二人の生き方には、西欧と東洋を超えた「自然と人間への愛情」が感じられます。また作品とともに当時の社会へ発信したメッセージの多くにも共通した想いが見えてきます。 ともに建築の専門教育を受けることなく、時代の精神を先取りした建築作品を世に送り出しました。
画家としてもコルビュジエは晩年まで毎朝キャンバスに向かっていました。 彼は「自分の建築は絵画という運河を通ってきた」と自身における絵画の重要性を述べています。
一方伊作は「芸術を生活として」自由奔放に建築、絵画、陶芸の制作に没頭しました。
今回の展示は、伊作は彼が最も情熱を注いだ大正初期の建築、絵画を中心にした作品、コルビュジエは世界遺産の7か国、17の建築作品と、彼の弟子の坂倉準三に贈られた絵画及び、準三の妻ユリ(西村伊作次女)によるコルビュジエ詩画集「直角の詩」のタピストリーの作品を展示します。 同時にル・コルビュジエと深くかかわり、日本との懸け橋となった坂倉準三の建築作品も紹介致します。
この企画展を通して、同時代に生きた二人の芸術家西村伊作とル・コルビュジエ、その志を受け継いだ建築家坂倉準三の情熱を感じて頂ければ幸いです。