世界人としてのライフスタイル 西村伊作と避暑地 軽井沢

西村伊作は大正デモクラシー期を代表する文化人の一人です。彼は日本人の生活の改善や教育・住宅の改革を説き、当時の人々から熱い支持を集めたのでした。
大正10(1921)年には与謝野寛・晶子夫妻らの協力を得て、東京に文化学院を創立し、自由でのびのびとした教育を実践しました。又同年、西村建築事務所を設立し、数多くの家族本位の住まいを建築したのでした。彼の活動はいずれも、昭和戦後の教育やすまいの先駆けとなっています。
彼にとって軽井沢は縁の深い避暑地です。文化学院が芽生えたのもこの地であり、又旧友で後に浅間高原教会の創立牧師となった沖野岩三郎ともこの地で親しく交流し、外国人宣教師らの住まい方を高く評価し、自らの生活改善に取り入れました。
さらにこの地で彼の理想を具体化した興味深い作品を残しています。 このたびの企画展ではこれらの事を紹介し、我が国近代の教育史や住宅史に大きな役割を果たした西村伊作の軽井沢での足跡をたどります。